中国大陸南西部の都市に多くみられる、騎楼型民居の調査研究。当年度は、台湾(台北、台中、台南、高雄)を調査地域と定めた。街路沿いの家の道路に面した1階部分を,柱楼として幅3~4mほど開放し,それが連続してできたアーケード空間を隘路歩道部分に跨るように建つ断面形状が騎馬のようだとして騎楼と呼び,中国南部・台湾・東南アジアに見られる建築様式である。夏季の強烈な日射しと連日のスコールという気候条件の中で生み出されたもので,遮陽避雨空間の役割を担っている。台湾各地にみられるそれは、大陸の都市にみられるものに比べ、小さなものが多い。連続して建てられる騎楼型民居は間口が狭く奥行きが深い、いわゆる「うなぎの寝床」型のもので、途中いくつもの中庭を介しながら裏通りへと繋がっている。調査は実測と現地聞き取り調査により行われ、空間的特徴と現代でも活用され続けている生活実態を明らかにした。[住宅総合研究財団補助金助成]。「住宅総合研究財団研究論文集18」P309〜P323
参照:C1