中国南部諸都市に多く存在している騎楼型住宅は,前年度調査した台湾各地の比較的低層の騎楼型民居に比べ、街路沿いの中層集合住宅(6〜7階のもが多い)の1階と2階部分をアーケード空間として解放した形式のものが多い。調査は実測と聴き取り調査を基本とし、その系譜、成り立ちをとらえるとともに、実測図面を作成してその空間的特徴を記録した。騎楼部分は、雨や日差しから人々の活動を守るという機能に加え、建設当初より過密になった現代の都市空間において都市と住民生活を繋ぐ歌唱地帯の役目も果たしている。歴史的建造物が現代の暮らしの中でどう生き続けているかについても調査報告している。
参照:C1(梗概)