自然・風景と調和した美しい街並みの実現を目的として、1986年に「金山町街並み景観条例」が制定され、「街並みづくり100年運動」がスタートした。行政と住民が一体となり景観形成づくりがなされてきた。白壁と切妻屋根を持つ金山住宅が町に増加して、大堰や裏通りの散策路が整備されてきたが、その成果と今後の課題を明らかにするため現地調査をした。調査は、集落の配置、建築の実測調査と住人への聴き取り調査を基本として進められた。実測調査により、1986年の条例施行前と施行後の街並みの変化を図版で比較検証することができた。聴き取り調査では、街並み景観条例が住民にも浸透し、概ね好評に受け止められていることが確認された。他の地域からも街並みの景観の維持についての見学が多く見られ、「金山型まちづくり」として広く認識されている。街並みづくり100年運動においてはまだその端緒にあるが、成果は上がってきている。この調査研究は、先の100年運動の指針を定める参考資料になった。 [山形県金山町受託事業]
参照:D3