平成11年度、財団法人トヨタ財団研究助成の補助金を受け、実施した研究調査の報告。
論文集。
東京芸術大学では「中国民居研究グループ」として、昭和61年以降、中国民居の研究を続けてきた。特に、対象地域を福建省、江西省、広東省の三省の省境付近に分布する客家の人々が住む集落、民居を対象とし、そこで育まれている客家の人々の民居と生活の実態を実測を主に記録し考察することを目的とした。対象地域の内、第一次調査として福建省を第二次調査として広東省を調査した。本調査研究は、第三次調査として江西省の当該地域を対象地域としたものである。本研究によって、三省の省境付近に分布する客家民居の実態をその相違点を比較検討し、客家の民居と生活の実態をより鮮明に記録し、考察したものである。本研究調査には、東京藝術大学建築科の教員、大学院学生に加え、生活什器の専門家である、横川昇二東京藝術大学デザイン科講師、社会学者である、白水繁彦武蔵大学社会学部教授、中国側からは、陸志成中国中央美術学院デザイン学部建築環境芸術学科教授等が参加し、建築的視点からの調査だけでなく、他分野からの多角的視点によって客家の人々の生活のありようを明らかにした。
参照:C2