本研究では、四国地方整備局のデータをもとに、四国地方の企業の最近の入札行動の経済合理性と、高知県の入札談合事件の影響を検証した。また、企業の市場への参入、規模の経済の存在、企業の低価格入札能力の効率性の関係を、商圏の広がりとの関連で検証している。分析結果は、企業の入札行動を通じて、企業活動に関連するいくつかの重要な経済的疑問を解決するものである。その結果、▽公正取引委員会の立ち入り調査率で検査された事業所だけでなく、四国地方整備局全体の入札額が約1~2%低下したこと▽市場への参入に関して、参入者の低価格入札能力がやや非効率であったこと、などが明らかになった。これらの発見は、政策立案の際に考慮すべき基本的なメカニズムである。