会計学および経営学の研究において、経験的研究による研究を精緻化しようとする場合、個々の企業の現実の状況を詳細に観察し、分析する事例研究アプローチないしフィールドスタディを採用することが有用かつ有効である。本書は研究方法論としての事例研究アプローチの基礎論と事例研究アプローチに従って行われた研究成果を収録したものである。
全303頁
編著:片岡洋一
共著者:岩田悦之、加藤隆之、小泉友香、桜井茂夫、佐藤安博、向田靖、孟飛、山田慶太、鷲澤正樹
本人担当部分:「第4章 工程別原価計算システムの設計
T工業(株)の事例研究 pp.115-143」を担当
本論文は,特定の企業の実際の製造過程を詳細に観察・分析した事例研究である.具体的には,約3,000種類の製品(プリント基板)を約4,000個を1ロットとして受注製造する超多品種変量生産している大陽工業(株)の製造工場(埼玉県)の現場に複数回訪問し,その製造工程を理解した上で,多数工程を対象とする製品原価計算システム理論に基づき,製造過程を反映した原価管理,経営管理システムを構築し,同社に提案したものである.