共立女子大学において2020年4月に設置予定の新学部の教員就任予定メンバーによる論文集。新学部の一つの柱になるリーダーシップ教育について岩城論文が実践例を紹介し、もう一つの柱になる経営・マーケティング・経済・会計の4分野の専門科目について、小泉論文が会計分野の成果を、二本の飯島論文がマーケティング分野の消費者行動論の成果を、大川論文が経営学理論に基づくPBL教育の効果について紹介し、植田論文がこれらを基に昨今の経済情勢の下での新学部の狙いを綴った。
共著者:大川洋史、植田和男、岩城奈津、小泉友香、飯島聡太朗
本人担当部分「2.総合原価計算の研究
-基本構造および仕損・減損に関する問題点の検討-」
本論文は、生産活動の実態を忠実に写像するという観点に立ち、総合原価計算の伝統的方法の問題点を(1)伝統的方法の基礎構造に関するもの、(2)減損および仕損に関するものに大別の上で体系的に提示し、それらの改善方法を提案する。特に、動的総合原価計算として、材料費の払出計算の段階で時間要因を重視する継続記録法を用いることで仕掛品原価計算を精緻化し、従前の「材料費計算」と「製品原価計算」の間の概念的齟齬を解消するとともに、財貨と用役の流れの整合的な追跡計算が可能となることを示している。
pp19-38