本書は、チャールズ・バベッジ著「機械と製造の経済」(On the ECONOMY OF MACHINERY AND MANUFACTURES)第4版(1835)(初版1832)の下記の章の原文の復刻とその邦訳から成る。
序文、第2版への序文、第3版への序文、第4版への序文 目次、導入
第13章 作成と製造の間の区別
第19章 労働の分割について
第20章 頭脳労働の分割について
第21章 製造での各個別工程のコストについて
第22章 大規模工場の原因と結果について
第24章 生産過剰について
第30章 事業主あるいは労働者の間でのお互いに対する結合について
第31章 公衆に対する事業主の結合について
第32章 機械の労働力への需要の削減の効果について
第35章 科学と結びついた、製造業の将来展望について
著者と本書について、米国の経営学者のヴィラーズ(Raymont Villers)はその著書“Dynamic Management In Industry” (1960)において次のとおり記している。「バベージ(1792-1871)は、ケンブリッジ大学の数学教授であったが、かれの人生の大部分、私有財産の相当部分、ならびに英国政府の下賜金を解析計算機の政策にあてた人である。かれの考案した機械は現実には製作されなかったが、ハーバード大学の計算試験所長のアイケン教授(H. Aiken)の言によれば、『バベージは、125年前に自動計算機の生産に必要なあらゆる仕様書を作っていた』ということである。バベージは自動計算機の分野で天才であったばかりでなく、計画を実施するために訪問した英国ならびに大陸の工場での10年間の体験を十分に生かした人でもある。この10年間に、工場という新しい組織の発展途上に生じた諸問題を研究する機会が生じた。バベージの著書は1832年に出版されたが、これはこの問題に関する経験を活かし、かれの考え方を述べたものである。」
本書は原著のパラグラフ毎に原文に訳者による逐語訳を添えた形式となっており、大学・短期大学の会計学領域の中級・上級レベルの専門書講読テキストとして用いることを主な目的としている。