本書「女子簿記教科書」は東京商科大學名誉教授・商學博士、吉田良三(1878~1944)著の高等女学校実業科用の簿記教科書であり、昭和10年(1935年)10月2日発行の初版、その修正再版が昭和11年(1936年)2月12日に発行され、昭和11年2月13日付文部省検定済となった。
発行以来百年近い年月が経っており、使われている漢字の多くは旧字体であり、戦後生まれの読者にとって難解な箇所が少なくない。
現代の女子学生にも本書を読んでもらいたいとの思いから、原著の格調高い文調を損なうことがないよう注意を払いながら、近時使われている表記・現代語への言い換えを適宜施して復刻させたのが本書である。
本書は大学・短期大学の会計学領域の中級・上級レベルの専門書講読テキストとして用いることを主な目的としている。本学では、ゼミナール(4年次)の専門書講読で使用予定である。
また、必修科目の原価計算の講義においても、会計学初学者用の歴史的教科書として紹介予定である。