共立女子大学における教育実践を関係性リーダーシップの観点から分析し、女子学生がどのようにリーダーシップを発揮しているかを検討した。大学1年生からリーダーシップ開発演習の授業を受講した大学2年生を対象に、関係性リーダーシップモデルに基づく調査を実施した。その結果、特に他者を受け入れる姿勢や協働による変革の促進、道徳的行動の重視や共有ビジョンへのコミットメントなどを通じて、関係性リーダーシップを効果的に発揮していることが示唆された。また、リーダーシップ開発演習を長期的に受講することで、協働プロセスに対する理解が深まる可能性も示唆された。さらに、米国の男女共学の大学の学生と比較した場合、共立女子大学の女子学生の関係性リーダーシップの特徴は、ジェンダーや日本の文化的要因の影響を受けている可能性があると考えられた。共立女子大学では、大学の教育理念に根ざした共立リーダーシップのフレームワークを中心にリーダーシップ開発が行われており、協働のビジョンに沿ったリーダーシップ教育が効果的に行われていることが示唆された。