発達障害を視野に入れながらも診断保留の経緯を有する青年とその母親へのインタビューを通して、成長過程の中でどのように学校や社会に適応しているか、また家族によるどのような支援がなされたかを調査し、自己肯定感や就労意識の獲得について考察した。その結果、幼少期からの特性への気づきとそれに合わせた関わり方、学童期の過ごし方の工夫などからいくつかの共通点が見出された。また、就労意識が高くてもそれに伴うソーシャルスキルの獲得には困難が見られ、学校生活の適応ができても社会で就労適応するには支援が必要なことがわかった。