母性看護学におけるシミュレーション教育の現状と課題

共立女子大学        看護学雑誌

母性看護学におけるシミュレーション教育の現状と課題を明らかにし、効果的な母性看護学の教育プログラムを開発する基礎資料にすることを目的に文献検討を行った。選定した55文献について教育方法を分類し、使用教材、評価方法を整理した。シミュレーション教育は「技術演習」「疑似体験」「事例展開」「ロールプレイ」の4つに分類され、学生の習熟度に応じて段階的に設計されていた。視聴覚教材の活用により、対象の特性やニーズがイメージ化され学習レディネスが高められた。一方、個々の学習意欲による影響を受けやすいこと、設定時間内に終わらないこと、教育評価について検討することが課題としてあがった。効果的なシミュレーション教育を行うには学生のレディネスに見合うよう授業を設計し、育成したい能力にもとづく具体的な行動を客観的かつ測定可能な基準を定めて継続的な評価を行う必要性が示唆された。また、学習活動や評価に学生を巻き込むことで、能動的学習へと転換されていくこと、臨地と連携した継続的な教育評価を行うことで、実践能力が向上していくことが示唆された。