ヒト表皮角化細胞株HacaTで炎症性ケモカインTARC*を発現誘導した系において、46種類の精油のうちパチュリとカモマイル・ジャーマン等7種の精油にTARC誘導阻害能が見られた。同時に、炎症や皮膚の恒常性に関与する遺伝子も発現が変動した。また、細胞内への精油の導入効率を上げる目的でパチュリのリポソームヘの封入を試 み、パチュリの抗炎症効果の傾向を観察した。
*TARC: 皮膚から分泌されるケモカインのひとつ。TARCはアトピー性皮膚炎の患者で誘導され、増悪因子となり、アトピー性皮膚炎の重症度の指標となることが知られている。