Pueraria montana var. lobata Ohwi(クズ)の花の香気成分をGC-FID及びGC-MSを用いて分析した。抽出した成分のうちエステルが相対的に最も大きなピーク面積を占め,これは主にブドウの香りを示すmethyl anthranilateに起因した。他に,ethyl linoleate,1-octen-3-ol,(Z)-3-hexen-1-ol,farnesol,palmitic acid 等がそれぞれフルーティーな香り,マツタケの香り,青葉の香り,フローラルな香り,ワックス臭等を呈し,クズの花の独特な香りに寄与すると考えられた。本論文は,クズの花の香気成分についての初めての報告である。