「昭和期の女性書簡文の結語と文体」
『聖心女子大学大学院論集』
第31巻
2号
昭和前期(昭和元年~戦前期)の女性の書簡文の結語の使用率と表現特徴および文体との関連性について、学術綸文「1」と同質の資料を用い、調査を 行った。その結果、使用率は減少しているが大正期と比べると非常に緩やかであり、主に口語文体で結語の欠落が見られること(候文体の約2倍)、「かしこ」系の減少に歯止めがかかっていることを指摘した。大正期に見られた急激な変化を加速させるような動きは見られず、反対に落ち着きを取り戻し伝統を見直しつつある傾向にあった。