「近代日本女性書簡文の研究」(博士学位論文)
主に女性の書簡文本文の文末文体や書簡用語(頭語と結語、署名と宛名、敬称・ 脇づけ)、人称詞について、書簡文例集、女流作家の書簡文、一般女性の書簡文、創作書簡文の4種を資料とし、それらを資料別に数量調査し、時期別に特徴や変遷を示した。また規範と実態の相違、結語「かしこ」の重要性、文末文体と書簡用語・人称詞の関連性についても明らかにした。最後に、古い伝統の殻を破り、現代の女性の書簡文のスタイルを築いたのは大正期であり、女性の書簡文の歴史にとって、大正期は変革的な時期であったと結綸づけた。