職場復帰後に就労継続している同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)後の造血器腫瘍サバイバー8名に半構造化面接を行い、質的帰納的分析を行った。全員が移植後合併症を発症しており、休職は長期だった。カテゴリは、【移植後の脆弱化した心身で働き続けるために負荷を避けた無理のない働き方の試み】【逃れられない治療の影響を抱えながら働くにはどうすべきか考えた行動】【長期の病気休暇あけの自分に対する職場での視線の懸念】【発病前のように働けない自分への否定的感情】【造血器腫瘍から職場復帰までの険しい道のりを経た自身の成長の実感】の5つに集約された。再発リスクを抱えた上に合併症・後遺症に対する治療や予防を継続しながら、これまで培ってきた勤務経験を活かしつつ徐々に業務量や内容を拡大し、安全に就労を継続していた。初発時から、専門家と職場の協働した両立支援が不可欠であると示唆された。
(若杉歩, 眞嶋朋子)
全て筆頭著者が担当。