2010年中間選挙における民主党の歴史的大敗について分析。民主党が大量の議席を失い多数党の座を共和党に奪われた4つの要因につ論じた。第一の敗因は、2006年と2008年選挙での民主の大勝の揺り戻し、および景気循環と連動する政治不信のサイクルという循環的で構造的な要因である。第二の敗因は、小さな政府を志向する支持政党なし層が、オバマ政権の大型財政出動や医療保険改革に反発して民主党離れをおこしたことである。第三の敗因は、メディア報道の注目を集めた共和党支持層におけるティーパーティー運動の興隆であるが、予備選挙とは異なって本選挙の候補の当落に対する組織としてのティーパーティー運動の影響を検証することは難しく、保守層の投票率上昇という捉え方が妥当であると指摘。第四の敗因として、人口密度が低い地域における白人ブルーカラー層の離反という、一部でしか注目されていないが実は重要な要因の存在を指摘。最後に2010年中間選挙以降の展望を簡潔に論じた。