2004年のアメリカ大領選挙における民主党予備選挙において本命視されていたハワード・ディーン候補がなぜジョン・ケリー候補に敗北したか、そして敗れたとはいえ、その後のアメリカ政治に影響する重要な足跡を残したことを論じている。ディーンの主な敗因は、予備選挙冒頭のアイオワ州党員大会において、多数の有権者が重視する経済的争点でなく、党員大会の時点では有権者の優先課題でなかったイラク戦争への反対を強調したことであった。ディーン候補の功績は、1)若者票を掘り起こしたこと、2)インターネットによる小口献金の流れをつくったこと、および3)第3政党候補のネーダーに票が流れるのを防ぐことに寄与した可能性である。p.91-p.110