文芸学部1年次の「教養ゼミナール」は大学における勉学に必要な基本的技術を身につける場としてもうけられている。とりわけ、課題を発見し、資料を調べ、口頭で発表するとともにレポートを書いて提出するという、課題発見・解決学習の場として重視されている。筆者担当のクラスでは、毎年、全員に展覧会または美術館を見学し、何らかの課題を見つけてそれについて発表することを義務づけている。また発表に対しては出席者全員が小レポートを書き、発表者に渡すことを義務づけている。ほとんどの学生が大学入学前に美術作品の実物に接した経験がないため、見学は美術への関心を呼び起こし、勉強するためのきっかけとして非常に有効である。と同時に、それについて口頭で発表し、レポートを提出することは、発表の技術の向上、日本語運用能力の向上に一定の成果をもたらしている。教養ゼミナールは2007年度より基礎ゼミナール(前期)、文芸ゼミナール(後期)と変更されたが、変更後も基本的には同様の内容で行っている。(毎年)