美術史演習IIは西洋美術理解のために必須のキリスト教図像学の基礎を身につけることを目標としている。日本語による適当な教材が存在しなかったため、英文の図像学事典より項目を抜粋して編集し、教材として利用した。受講者は割り当てられた主題について英文の解説を読み、主題の出典を調べて原文を分析し、実際の作品の表現と照合して発表することが課せられた。これによってキリスト教美術についての知識を深めるばかりでなく、英文読解、資料調査、口頭発表の能力を身につける効果もあった。当初はJennifer Speake, The Dent Dictionary of Symbols in Christian Art,London, 1994を利用していたが、同書の邦訳が出版されたのを機に、Peter Murray, The Oxford Companion to Christian Art and Architecture, Oxford, 1998に変更した。