ルネサンスの建築において集中式という形式は建築家が等しく著しい関心を寄せたテーマである。その理由は集中式が神聖なる形態である円に由来することにある。ところで、この形式を実際に建築として実現したもの、また絵画などで一種の理想型として表現されたものをみると、ブラマンテのテンピエットを始め、何らかの形でウルビーノと関係があるものが多い。実際ウルビーノ宮廷では円形平面の墓廟が計画されるなど、集中式建築への関心が明かであった。ルネサンスにおける集中式建築の源泉のひとつがウルビーノであったと考えることができる。