学術論文

基本情報

氏名 池上 公平
氏名(カナ) イケガミ コウヘイ
氏名(英語) Ikegami Kohei
所属 大学 文芸
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

発行又は発表の年月

2004/01

学術論文名

岸田劉生―鵠沼から京都へ―

単著・共著の別

単著

発行雑誌等又は発表学会等の名称

共立女子大学研究叢書第22冊pp.99-123

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概要

大正時代に活躍した洋画家岸田劉生は関東大震災で罹災したことをきっかけに京都に移住する。京都での劉生は浮世絵を中心とする古美術収集と遊蕩に明け暮れたとされ、評価が低い。しかしこの時期は彼が旺盛は執筆活動を展開した時期でもあり、それらを読むと彼の浮世絵への関心が、対象が内面に喚起する感覚にあるということが明かである。このような関心の持ち方は、劉生がゴッホ等後期印象派の影響下に画家としてのキャリアをスタートさせたことと無関係でない。後期印象派は対象の客観的把握よりも主観的な感覚の表現を優先させたからである。表面的にはそれまでの西欧古典絵画風の様式と浮世絵への関心は結びつかないが、内面においては連続するものであったと考えられる。