十五世紀フィレンツェの画家ジョヴァンニ・ディ・フランチェスコ
早稲田大学美術史学会『美術史研究』第28冊
ジョヴァンニ・ディ・フランチェスコは15世紀中頃にフィレンツェで活動したマイナー画家であり、歴史において偉大な業績を残した画家ではない。しかし、その作品にはピエロ・デッラ・フランチェスカ、ドメニコ・ヴェネツィアーノ、フラ・アンジェリコらからの影響が明かであり、これら大画家たちの芸術を理解する上でこの上ない資料となる。この画家については文献資料も僅かしか残っていないため、主として様式比較により、どのような点に大画家たちの影響があるかを指摘した。