名詞述語文「AがBだ」の使用比率―意味と構造の面から―

『共立国際研究』31号

名詞述語文「ＡがＢだ」における主語名詞句と述語名詞句の意味関係、および構文的特徴について考察したものである。
　主語名詞句と述語名詞句の意味関係においては、「指定」と呼ばれる関係を示すものは「ＡはＢだ」も「ＡがＢだ」もほぼ同じ割合で使用されていることが明らかになった。これは、「指定」が主語名詞句と述語名詞句の入れ替えが可能であることが要因であり、意味関係が構文的特徴にも反映され、それが使用率として表れていることを示している。
　文構造においては「ＡがＢだ」という形式が、「ハガ構文」から「現象文」への連続性の中に位置づけられることを使用率の面から明らかした。