本報告書は、平成27~29年度 学術研究助成基金助成金(基盤研究(C))「帝国解体と戦後秩序構築過程における大衆メディのジェンダー・エスニシティ表象分析」(課題番号 17310154)に関するものである。本研究は以下の点を明らかにするために分析を進めた。①「総力戦」で見られた女性やマイノリティの「国民」への包摂は、「帝国」が解体・再編される中でどのように変化したのか。② ①はメディア表象にはどのような影響を与えたのか。③冷戦下における核開発競争、核の「平和利用」が推進される中、メディアにおいてジェンダー、エスニシティはどのように表象されたのか、④ ①~③は1950年代、1960年代のジェンダー秩序、ジェンダー・エスニシティの表象、また以降のフェミニズム運動にどのような影響を及ぼしたのか。これらを明らかにするため、国家や「国民」、またジェンダー秩序を再構築していく上で重要な手段である大衆メディアを取り上げ、表象分析と国際比較を行う。