『不思議の国のアリス』に見る子どもの本の歴史
日本イギリス児童文学会 第45回研究大会 (於 川村学園女子大学目白キャンパス)
特異な地位を維持しているルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』が基盤として持っている豊かな児童文学の地層の一旦を探る試みである。まず作品そのものが自らの新しさを自己言及している部分を取り上げ、『アリス』が何に対して新奇であったのかを探る。そして、それまでの子どもの本の諸相、特に教科書や教訓的な物語や詩に着目し、この作品に見られる児童文学の豊かな地層をたどる。