イギリスのロマン主義が作る「童」
共立女子大学『文學藝術』
第42号
アリエスの『〈子供〉の誕生』(1960) 以来、「子ども」という存在の解釈は時代や社会によって変容してきたことが明らかになった。「子ども」は「大人」のイメージのネガティヴな形として最初はとらえられていたが、17世紀には、芸術や文化活動の中に「子ども」が表れる。変容する子ども像のどの段階が、日本語における「童」や「童話」にどのようなイメージや影響を与えたのか。イギリスのロマン主義的な子ども像を取り上げ、「童」の持つ多様なイメージについて考察。