Pierre: or, the Ambiguities ----アイデンティティーの崩壊とロマンスの破壊
『帝京大学文学部紀要 英語英文学・外国語外国文学編』第21号(帝京大学文学部)
メルヴィルの問題作『ピエール』を、物語論の観点から論じた。主人公のアイデンティティーが崩壊してゆく過程は、男女の三角関係の悲劇を描いているように見える「ロマンス」の結構を巧妙に裏切り続け、「ロマンス」という物語形式の破壊を意図的に目指すものであることを指摘した。 掲載頁pp.303-317