日本のアニメやマンガが海外で広く受容されている現状を指す言葉として定着している「クール・ジャパン」が、日本と海外双方でどのような「理解/誤解」に基づいて広がりつつあるのかを、日本のマスコミでの取り上げられ方を検証し、さらにその発端となった英文雑誌記事を精読することで考察した。その上で、"cool"という言葉の意味の変遷をたどり、新しい意味内容を付与し得るものとして、日本のアニメやマンガを熱狂的に享受するアメリカの若者文化(特に、「少女文化」)考察への前提を論じたものである。(本考察は、三号にわたって連載する。) 掲載頁pp.43-66