共同研究のテーマ「関東大震災」に対し、1970年代後半から現代に至るまで、さまざまな形で社会・文化に影響を及ぼしている少女マンガ『はいからさんが通る』を通して論じている。大正期の社会・文化事象の検証を「はいからさん」という言葉の流通と「女学生袴」の定着の側面から検証し、『はいからさんが通る』で関東大震災の一日がどの様に描かれているか細密なテクスト分析を行い、さらには「女学生の卒業式袴姿」の定着という現代社会・文化事象の考察を通して、関東大震災という歴史的事実が文学・芸術の一分野である少女マンガでどのように描かれ、その影響を現代社会がどう受け継いでるかを考察している。
掲載頁pp.53-95