「女優志願(番外編)家族で演じる-中流家庭は演劇がお好き?!-」
『文學藝術』第二六号(共立女子大学総合文化研究所神田分室)
『若草物語』シリーズの作者として名高いルイザ・メイ・オルコットが、若き日に女優志願であったことは、一般にはあまり知られていない。作家になることと女優になることが、ともに、十九世紀中葉のアメリカ社会において、上品な女性に許されざる夢であったことを示し、女優の夢破れた後でも、自ら作家として描いた多数の作品に女優を登場させているオルコットの小説を、当時の社会背景を手がかかりに考察している。掲載頁pp.79-96