2018年より本学家政学部被服学科と北陸先端科学技術大学院大学は連携し、高性能な天然染料と染の技術と最新のファッションデザイン、伝統工芸技術の融合をもとにドレスと和服を基調とした羽織ものの制作に取り組んでいる。本研究では、羽織もの制作工程を生地の裁断、模様の施し、縫製などに分けて、それぞれの違いを詳細に記録する。今回のプロジェクトとの記録として羽織に模様を施す加賀友禅作家とファッションイラストレーターの2人のクリエーターの作品制作工程に注目した。それぞれの作品の制作工程ごとの違いを総合的に検討する。制作結果をまとめると、羽織ものの原型は和服の半纏であったが、「ジャポニズム」「日本らしさ」「ドレス」のキーワードをもとに様々な要素が加わることで、和服的要素と、洋服的要素を融合した多様な型の羽織ものが完成した。和服的要素は衿が直線である。袖については3つのパターンが提案された。pp.53-73(田中淑江,高橋由子,宮武恵子)