本研究では、大きな変化はないが緩やかな変化と仮説できるウェディングドレスのトレンドとデザイン(形・色・素材など)について明らかにすることを目的とする。トレンドのデザイン表現を明らかにするためには、一過性で論じるのではなく時系列推移に伴う変化を分析しなければならない。そのため、本研究では、継続研究を念頭において、ウェディングドレスにおけるデザインの基礎的な概念を整理してまとめ、デザイン分析の方法ついて検討をする。結果は、色は白が一般的、代表的な素材はサテン、ジャガード、タフタ、シフォン、オーガンジー、レースなどである。形は一枚の構造になっていて、かつては教会で式が行われる時には、宗教的な式典とされるので、肌をあらわさないものが用いられていた。時代の変遷、社会情勢や挙式形態の変化に伴い、自由に様々なデザインが選ばれるようになっている。シルエットは、上半身はフィットして下半身は適度な、また過度なボリュームを要したものが多い。ネックのデザインは、カラーのあるものよりビスチェも含めたカラーのないネックラインのバリエーションが豊富である。また、袖丈は長いものより短いものが多い。適度な肌の露出があるディテールが多いといえる。これらの結果は、一般的に抱いているウェディングドレスのデザインの概念と概ね一致している。今後は、本研究で明らかにしたデザインの基礎資料をさらに検証をして深めていく。pp.37-51,(宮武恵子,加藤裕子)