着物を取り巻く環境は着装者の減少、市場の右肩下がり、家庭内継承の難しさが顕著であるとされてる。夏の浴衣は定着し、観光地での着物レンタル業によるイベント化により若年層において新たな側面が確認できる。一般的に着物は決まりごとがあり、着装に手間がかかり、敷居の高い衣服と捉えられる傾向である。呉服業界では従来の晴れ着中心の販売から、晴れ着と日常着の提案を行っている。これらを背景にして、本学における着物のスタイリングショーは、2015年からはじまった。「被服構成学(平面)」、和装教育・研究を担う被服平面造形研究室と「被服意匠学」、被服意匠/デザイン教育・研究を担う被服意匠研究室が協力して取り組んでいる。産学連携の取り組みを通して着物の概念の変化を提示した。結論的には、着物をどう捉えるかも含めて、本セミナーのテーマは、高等教育機関として、家政学 被服学の視点で捉えないとならない。それぞれの大学の志のような未来における被服・ファッションの概要が提示できると考察した。