前稿「卒業式に見る袴の現代的着装の研究Ⅰ」に引き続き、本稿では継続的な研究方法で2015年3月15日の女子学生の袴着装の実態を調査している。また卒業式当日の衣装の調達方法や卒業式に対する意識についての情報を得るためにアンケートを行った。結果は、装飾華美な装いはほとんど見られなかったが、伝統的な袴の装いとは異なる、近年の定義による袴の傾向を示した。学生にとって卒業式はフォーマルな場という認識はあるが、実際に身に着ける衣装は非日常性を演出し、また個性を表現する手段である。すなわち卒業式とは袴姿で着飾って出席する記念日、イベントであると認識していると言える。先行研究や本調査、書籍を見ると、この傾向は今後も変わることはないのではないかと推察した。(田中淑江 長谷川沙織 大塚絵美子 宮武恵子)