前稿「卒業式に見る袴の現代的着装の研究Ⅰ」に引き続き、継続的資料と平成26年度の資料を基に、流行現象を把握するとともに、次のトレンド予測を行うことを目的とした。本調査では、特に色に注目して分析するとともに、昨年に引き続き、クラスター分析を行い、日頃の装いと袴の着装との関連性や特異性を導き出した。研究方法は、前稿同様にレンタル用のカタログ2誌と卒業式当日の袴の着装を撮影した共通資料を用いて日頃のファッションと照らし合わせて6分類に基づくクラスター分析を行っている。着物の色の分析結果では、カタログと学生は類似した結果と異なる結果が明らかになった。ファッション分析では、クラスター分析は昨年同様に、日頃の装いに応じて袴の着装も、それぞれのクラスターに特徴がみられた。前年トレンドとして予測した“レトロ”な装いは、かつての女学生の着こなし、アンティ―ク着物、大正浪漫のイメージなど、それぞれの個性や好みに合わせて“レトロ”なイメージを取り入れて装うなどの細分化している実態を抽出できた。(瀬川かおり 田中淑江 大塚絵美子 長谷川沙織 宮武恵子)