共立女子学園、図書館所蔵の「Vogue Pattern Book」を手掛かりに、1950、1960、1970年代のファッション・デザインを取り上げた前3稿に引き続き、本稿では1980年代前半のファッション・デザインについて分析をしている。本調査の資料は、1980年1-2月号から1984年11-12月までの30冊を対象とした。研究方法は、前稿までの研究に習い、まずは時代を象徴する特徴的なファッション・デザインについて整理する。その結果と照らし合わせて「Vogue Pattern Book」を考察した。分析から①70年代から継続して認められる事項、②70年代から兆候があり、80年代に入り台頭してきた事項、③80年代に入り新たに登場した事項、④80年代に入りこれまで見られた変化が停滞する事項の4項目に整理した。総じて前3稿で明らかにしてきた時代を象徴するファッション・デザインと「Vogue Pattern Book」の関連に関しては、本研究においても文献と一致する事項や近しい事項がいくつか認められた。(宮武恵子 平田麻里子)