海外からも高い評価を受けている代表的な日本のデザイナーおよび日本のファッションの変遷を考察した。本論では、各々のデザイナーの特徴を1.西洋服の既成概念の崩壊-衣服と身体の関係の見直し、2.布地へのこだわり、3.和の再解釈、4.「かわいい」という美意識、5.ストリートファッションの影響力、以上5つのキーワードに分類整理した。さらに日本人デザイナーが初めて海外に大きな影響を及ぼし評価された1970~1980年代(高田・三宅・川久保・山本ら)を第一期とし、1990年代以降(高橋盾・津森千里ら)を第二期として、これらの比較を通して、欧米と違った美意識や創造性、そして旺盛な購買欲やユニークな着装ルールを生み出すストリートファッションが、海外のデザイナーやアパレル業界に注目を集める理由の一つとなっていることを明らかにした。 pp.43~58 共著者:穂川茉莉子・渡辺明日香