東京都内の原宿・渋谷・銀座・代官山・新宿において撮影されたストリートファッションの写真から、髪型とファッションの関連性を調査した。調査期間は1980年~2009年の30年間であり、次の結果を得た。髪の長さでは調査期間通してロングが4割以上占め、ミディアムは3割~4割、ショートヘアは2割弱であった。スカートとパンツの比率では、1980年代はスカート:パンツが7:3、1990年代に6:4、2000年代には5.5:4.5となり、パンツが漸増している。ファッションテイストの結果においては、カジュアル:エレガントの割合が、1980年代に5:5、1990年代に6:4、2000年代には、6.5:3.5とカジュアル系のウエートが増えた。この、ファッションがカジュアル化するなかでのロングの増加は、ロングヘアの記号性が従来の画一的なものから変化し、ヘアアレンジやカラー等でバリエーションが広がり、ロングヘアのイメージが多様化していることの表れと考察した。 pp.43~52 共著者:穂川茉莉子・渡辺明日香