八幡茉莉子との共著。東京の主要なファッションストリートである原宿において、10代から20代の若い男性を対象に写真を撮影し,得られたデータをもとに、スポーツ・ファッションを取り入れている被写体868体を選出し、トップスとパンツのアイテムやシルエット,バッグや靴、帽子などの服飾雑貨の数量的把握を試みた.調査期間は、2012年1月から2015年10月までの4年間とした。 これらの結果を、季節変動要因とトレンド要因の二つの視点で考察を行ったところ、トップスとボトムについては,明らかに季節変動の影響を受けており、アイテムや素材、丈の変化が認められた。服飾雑貨には、顕著な季節変動はなかった。トレンド要因の観点からみると、調査期間中において、シルエットでは、スキニーデニム等のスリムシルエットから、ややワイドでナチュラルなシルエットが増えていることが明らかとなった。また、色柄の出現が減少し、モノトーンの無地アイテムが増えている点も特徴であった。全体的にシンプルなスタイルを好む傾向が増長しており、程よく流行を取り入れたいと考える現代の若い男性のファッション意識の一端を数量的に把握することができた。