森田 啓, 中島 早苗
A大学の教養科目に「課題探究セミナー」という科目がある。この科目は教養科目の集大成と位置づけられ4セメスターに開講される。1から3セメスターでは、学生が自分の専門分野のみにとどまらず、広い視野をもった専門家となることを目標に、人文科学から自然科学まで幅広い分野の教養科目を開講している。それにより学生の知的好奇心の刺激をめざしている。「課題探究セミナー」は、教員が提示するテーマについて、個人での調査や考察およびその報告を行うだけでなく、グループ内での討議や集団発表を通じて主体的に学び、考える姿勢を養成することを目的にしている。本研究では「体育・スポーツの諸問題を考察する」テーマを選択した学生たちが「体育」について調査、検討、討論したことを報告する。このテーマの選択者は「体育好き」が多いが(約61%)少数ながら体育嫌いもいる(約13%)。彼らが「小中高校の体育の目標・内容・評価」について、そして「大学体育」について取り組んだことを報告する。「大学体育」は各大学がDP、CP等に基づいて多様な目標・内容で実施されているが、A大学とは異なるB大学の受講生の意見も踏まえて報告・考察する。