中島早苗、山田直子
【目的】習慣的な有酸素運動や食事・栄養指導の付加は、皮膚AGEs値を低減させるかどうか実験的に検証すること。【方法】健康な若年層女性を対象とし、有酸素運動を10週間継続する運動実施群(Ex群)と食事の記録と週1回のフィードバックを受ける食事・栄養指導実施群で比較した。測定項目は、皮膚AGEs値、血糖値、血中HbA1c、体組成、食物摂取頻度調査等であった。測定は、1)最大酸素摂取量測定前、2)運動開始から5週間後、3)10週間後、4)3の測定からおよそ3ヶ月後に実施した。【結果】Ex群の皮膚AGEs値は、1回目と比較して2回目は7.0%、3回目は5.3%、4回目は10.3%減少していた。血中HbA1cは1回目と比較して2回目では有意な変化はみられなかったものの、3回目と4回目は有意に減少(p<0.05)した。【考察】10週間の運動付加終了直後である3回目と、運動終了から約3ヶ月経過した4回目は、血中HbA1cの値が低値を示したことから運動を付加していた期間の血糖状態は運動付加前と比較して良好であったことが示唆された。また若年層を対象とする場合、10週間の運動では効果が得られるほどの頻度や継続期間ではなかった可能性がある。