地方都市における未就学の子どもの衣服着用の実態を把握し、衣服着用率の季節変化を調べることを目的に、1年間にわたる広域定点観察法による写真撮影での調査を実施した。子どもの着衣調査は、山梨県甲府市(2014年11月、2015年2月、4月、8月の合計4回)と、群馬県高崎市(2016年11月、2017年2月、4月、8月の合計4回)において、地域のスーパーマーケット等を訪れる子どもをデジタルカメラで撮影した。撮影した写真から、男女別に最外層の衣服を、上衣、下衣、類衣服別に分類し、服種別着用頻度を集計し、対象者全数を母数とする着用率を求めた。上衣の季節変化では、男女ともに夏は半袖やノースリーブのシャツの着用率が高く、女子では半袖ワンピースもみられた。夏以外は男女とも長袖シャツやスェットシャツの着用率が高く、秋にはベスト、カーディガンを、冬にはジャンパー、コートなどを重ね着していた。下衣は男子は夏にナチュラル丈のパンツを、秋冬春ではロング丈のパンツの着用率が高かった。女子は年間を通してショート丈のスカートの着用率が高かった。靴については、男女ともにすべての季節でスニーカーの着用率が高かった。類衣服では男子で夏に帽子の着用率が高く、女子では秋冬にタイツの着用率が高かった。1年間の調査によって地域の子どもの着衣の季節変化の概要を把握することができた。