全国規模で実施された人体計測データ(2014-2016)から、成人女子の年齢層別サイズや体型の特徴を明らかにし、10年前、20年前の全国データと比較して、その変容を詳らかにし、アパレル製品のサイズ設計への指針を得ることを目的とした。
被験者は18.3‐90.7才の成人女性1633名で、マルチン計測器および巻尺による手計測でおこなった。測定項目は54項目である。計測は2014-2016年に科研費基盤研究(A)25242010「アパレルの質と国際競争力向上の基盤となる日本人の人体計測データの構築と多角的分析」(代表 大塚美智子)により、全国で実施された。
その結果、成人女子の身長はJIS1992-1994と比較して2.9cm高くなったが、青年層には変化はなく、18~59歳はほとんど差がなかった。すなわち、20年前よりも中年層の身長が高くなったことが全体の平均値を上げる結果となった。身長と同様に高度・長さ項目では、18~59歳は変化が少なく、60歳代以上での低下が顕著であった。周径項目では、バスト囲から腹囲までが30歳代から年齢と共に増加した。特にウエストから腹部の増加が顕著であった。年齢層別のターニングポイントはなく、加齢に伴う筋肉量の低下や皮下脂肪の増加との関連性が考えられた。周径項目の増加は横径よりも厚径の増加との関連が大きいことが示された。腰囲(臀囲)は60歳代から減少傾向がみられた。