成人女性の人体各部位の表面圧縮変形量と皮下脂肪厚を測定し,両者の関係を年齢別に分析した.被験者は成人女性20名(若年群10名(21~24歳),中年群10名(49~63歳)である.被験者の左半身89か所の人体表面圧縮変形量と皮下脂肪厚を測定した.
その結果,圧縮変形量は,乳頭部,前面胸部下から腹部,前後腋窩部,臀部,上腕後面,大腿部内側で大きい値を示した.これらの部位において,中年群は若年群よりさらに大きい値を示した.皮下脂肪厚も圧縮変形量とほぼ同様の傾向を示したが,特に中年群の腹部が顕著に増加した.若年群も中年群も,圧縮変形量と皮下脂肪厚間には有意な相関関係がみられたが,中年群のバラつきが大きく,同じ皮下脂肪厚であれば,圧縮変形量が大きくなることがわかった.