衣服設計現場で活用することを目的とした人台を作成するため、40歳から59歳の中年女性を対象に三次元計測を行い、上半身を中心とした体型分析を行った。その結果、中年女性の特徴として、若年女性よりも周囲長と厚径が大きく、乳頭点と臀部の下垂、胸の低さ、大腿部前部の肥大が確認出来た。また、若年女性と同じサイズ寸法であっても、後アームホール(袖ぐり)とアームホール底の脂肪厚、アームホール底の位置の低さなどの細部に差異があり、中年専用の原型を使用した設計がフィット性を高めることが明らかとなった。クラスター分析による若年女性に近いスリムな体型群とサイズが大きく中年女性の体型特徴が顕著な体型群とに分類された平均形状からは、中年女性の個体差の大きさが可視化され、体型別の特徴を反映した人台や原型の必要性が示唆された。