【研究報告書】網膜動脈血管構造の定量測定法を用いた高血圧遺伝素因と血管発生との関連の解析
平成13年度文部科学省科学研究費補助金(奨励研究A)研究実績報告書
(内容)これまで我々は高血圧遺伝素因の強い若年者では正常血圧範囲内であるが遺伝素因の弱い者に比べて既に血圧が有意に高く、交感神経活性が亢進し、インスリン感受性も低下していることを報告してきた。本研究は高血圧遺伝素因が血管構築ならびに血行動態に異常を惹起するか否か検討した。その結果、網膜中心動脈の拡張期血流速度は遺伝素因の強い群で弱い群に比べて有意に高値を示し、高血圧遺伝素因は高血圧発症前の20歳前後において微小循環調節に異常を惹起することが示唆された。