リスクマネジメント・安全教育の立場から,本研究では医療上のエラーの低減を目指したエラー管理訓練の動向と,今後の課題を明らかにすることを目的とした.
1990年~2006年までの文献をシステマティックにレビューした結果,医療におけるリスクマネジメント研究は1998年ごろから増加し,2001年以降急増していた.与薬エラーに対する学習方法として,エラー管理訓練が紹介されていたが,その数は少なかった.医療におけるエラー管理訓練は,エラーを包括した学習のほうが,エラーを包括しない学習より,学習者のスキルや自己効力感を高める効果があった.今後は,訓練課題の難易度を調整し,自己効力感を低下させない工夫が求められていることが示唆された.
発表者:○中原るり子