近年,インクルーシブの理念は広がりつつあり,体制整備が急速に推進されていく中で保育現場では,体制整備と保育実践との間に乖離が生じている可能性がある。日々の保育の中でも多様なニーズをもつ子どもを目の前に「インクルーシブ保育とは,いったいどのような状態なのか?」と疑問を持つ保育者も少なくないといえるだろう。ゆえに,インクルーシブ保育に向けた具体的な取り組みとその波及効果について事例を蓄積し共有することは,インクルーシブ保育の実践を下支えることになると考える。本シンポジウムでは,巡回相談及び保育の事例から,保育者と子どもそして子ども同士がともに育ちあう,インクルーシブな環境づくりについて探索的に検討する。(企画・司会者:中内麻美,企画・話題提供者:榎本拓哉,話題提供者:飯野雄大・広瀨由紀,指定討論者:太田研・守巧